初演時パンフレットより
主宰より
特攻隊、つまり戦争をテーマにした作品は舞台も映像も数多い
昔はこうだった、と一線を画しがちだが
今と昔の境界線は誰がどういう裁量で決めるのか?
この作品も確かに60年前に遡っては行くのだが・・・
変わらないものは、どの境にも”人間”がいるということだ
歴史は常に途切れることのない時の延長であり我々は常にその証人なのだ
以前、飛行機事故でいきなりもぎ取られた命の重さと価値を上演させて頂いた
今回は死に方の用意をしてある命の重みを
歴史の証人として今に伝えたい。
あらすじ
21世紀、科学が急速に進歩する中、「命」に対する感覚がマヒし始めた現代では凶悪事件が増加。
国家機密特殊工作員が試みた奇妙で危険な対策とは?
強盗傷害の罪で留置中の木崎は特殊工作員と高額な報酬と引き換えに戦時体験をバーチャルながら痛みも伴うリアルな実験に引き込まれる。
注射で眠らされた木崎が足を踏み入れた時代・・それは・・・沖縄特攻の為の飛行基地最前線。
そこで木崎の眼前では特攻飛行兵、女学生、関係する家族たちのさまざまなシーンに心を揺さぶられる。
最後に彼を待ち受けたいたもの・・それは・・・「こんなんで死にたくねー!」
いつしか目の前を去来する特攻兵たちに命の大切さ、命令一つで特攻で死にゆく不条理を必死に説いている木崎であった。