すずなりの逸声(2017)パンフレットより
―この作品を上演するにあたって―
原爆投下の瞬間
各人が、同じ心境になったであろう瞬間
・・太陽が・・落ちてきた・・・!
その内なる声は、すずなりのように沸き起こり、広島を駆け巡ったのではないか
2017
科学(サイエンス)は一体どこに向かっているのか
我々人間は何処に向かっていこうとしているのか
それを考えると、鳥肌がたつほどゾッとするのは私だけだろうか
科学の進歩はすでに戦争への応用が進められつつある
もし科学の粋を集めたAI(人工知能)が軍事目的に使われたら
もし各国の最高指導者が、分配の基軸を間違えたら
人間は過ちを犯しても、教訓になるためにはどれだけの犠牲が必要なのだろうか
科学の粋を極めるなら、戦争の体験をそのまま未体験の人の脳にコピペしたらどうだろう
もう戦争などやろうとする人がこの世からいなくなるのではないか
大きな過ちは、もしかしたらいきなりではなく
いつの間にか、そうなってしまっていた、という無意識の方にあるのではないか
パンドラの箱のように、人間に残された希望を信じるなら
生まれながらに命を思う無意識を信じたい
特記
昭和20年(1945)年8月6日、月曜日
その深夜零時25分に出された空襲警報が午前2時10分に解除される。
そして再び午前7時9分に警戒警報のサイレンが鳴るも、午前7時31分に解除される。
そして午前8時15分
人類史上初の原子爆弾が広島に投下される
投下から43秒後、地上約600m上空で閃光を放ち炸裂、その火球は太陽が落ちてきたようだと言われている。