舞台はただの空間。
そこに役者が魂を吹き込めばただの空間が生命をもつ。
そして、それは観る人の心をとらえて離さない、
実空間ともなりえるのだ。
私達は人間ゆえに衣食住以外にも飢えるものがある。
それは感情の活性化だ。
それが更新されないと無気力になる。
無気力になれば感動する事さえも面倒くさく感じる。
怖いのはその飢えの事実に気付かず、
無気力無感動の自分に慣れていくことだ。
だが、その活性化のために大きな衝撃や関心事が
敢えて必要なのではない。
一瞬でもいい、
心がしびれるものに出会うことだ。そうすると飢えた心に火が点く。
引火するとまたしびれたくなる。欲したくなる。自ら行動しても欲したくなる。
受け身から能動に変わる。そこが大事なんだと思う。それができるから人間なのだと思う。
一瞬でもいい、
心がしびれるものに出会う事
その一瞬に私たちは持てる限りのパワーを放つ。
そのパワーを放てるだけの作品と役者が要求される。
芝居なのに現実なのだ。嘘なのにリアルな真実なのだ。
そして観客が活性化し同時に私たちも活性化できる、
それが生命座たるものの根幹なのだ。
私の知らないあなたと舞台という空間を通じて、惹かれあいたい。
劇団生命座 主宰 鷹青由加子